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経済

  • 貧困層に無担保で少額融資するバングラデシュの「グラミン銀行」が堂々の日本進出

    かつて日本には一億層中流社会という時代がありましたが、遠い過去の日の話となりました。詳細は以下から。 ◆「貧困層救済」のための銀行が日本進出 バングラデシュの「グラミン銀行」が日本に進出し、活動を開始することが明らかになりました。 「農村」を意味するグラミン銀行は、バングラデシュの経済学者、実業家のムハマド・ユヌスが農村部の貧困層を援助するために1983年に設立したもの。 それまで極めて高い金利でなければお金を借りられなかった貧しい人たちに無担保で少額融資することで自立を促し、貧困脱出に力を発揮してきました。ユヌス氏はこの功績で2006年にノーベル平和賞を受賞しています。 グラミン銀行は第三世界を中心としつつも米英中を含めた41ヶ国に広がっており、ユヌス氏はグラミン日本会長も兼ねます。日本も深刻な貧困の存在する国であると海外からもお墨付きをいただいたと言えるでしょう。 この度、大学教授らが中心となって東京で貸金業者登録し、9月13日にグラミン日本を設立。他の業者からの融資が困難な状況でも働く意欲がある人向けに、就労や起業支援に限定して融資する方針です。 グラミン日本は今後、資本金7億円を寄付などで調達し、年利6~7.5%での無担保融資を始めます。期間は半年または1年で、最初の融資額は最高20万円。条件次第で融資額を増額してゆきます。 年収300万円以下の場合は年利10%台が一般的なカードローンなどよりも借りやすいとのこと。 グラミン日本理事長に就いた菅正広・明治学院大学院教授は都内で会見し「日本でも貧困問題は深刻化している。『金融排除』されている人たちの力になりたい」と語っています。 ◆焦げ付き防止の「五人組」システム なお、グラミン銀行は無担保融資ということですが、焦げ付き防止のためのシステムがあります。それは融資に当たって顧客5人による互助グループをつくる事で、それぞれが他の4人の返済を助ける義務を持ちます。 ただし連帯保証人のように返済が滞った人の返済の肩代わりを強制されるものではありませんが、班全員が融資をとめられるといった連帯責任を負わされます。このおかげで2007年設立のグラミンアメリカの場合では、のべ約10万人に約960億円を融資したものの、貸し倒れ率はわずか0.2%だったとのこと。 グラミン日本でもこうした班の仕組みは取り入れられる予定です。融資の条件は、金融の知識などを学ぶ事前研修を5日間受講し、融資を受けた後も5人の班で週1回集まり、返済や貯蓄、就職や起業の計画などを学びあうこととされています。 昔懐かしい「五人組」を思い出す人もいるかもしれませんが、同調圧力の強い日本では極めて効果的に運用されそうにも見えます。カードローンに走る前に考えるべき選択肢としてはかなり優秀なものと言えるのではないでしょうか。 【貧困層に無担保で少額融資するバングラデシュの「グラミン銀行」が堂々の日本進出】を全て見る Source: http://buzzap.jp/feed/…

  • 金持ちは貧しい人より「気前が悪い」ことが科学的に判明

    体感として分かっていたことに科学がお墨付きを与えた格好です。詳細は以下から。 ◆金持ちは気前がいいわけではない マザーテレサはかつて「貧しい人たちは、私たちが彼らに与えるよりはるかに多くを、私たちに与えてくれます」と述べましたが、そうした傾向が科学的にも明らかになりました。 ロンドン大学クイーン・メアリーの研究者らがジャーナル「Basic and Applied Social Psychology」に発表した新しい研究によると、金を稼いでいる人ほどその儲けを他人と分かち合うことが少ないことが分かりました。 研究者らは社会実験として本物のお金を用いるゲームを実施しました。被験者らは「上級」「下級」に分けられ、最初に割り当てられる資産が決まります。 このゲームの中では、被験者らは自分が手元にキープする資産と全員で共有する共同積立金に寄付する金額を決定できます。なお、被験者の資産は時に運によって、また時には努力によって決定されます。 このゲームの結果、「下級」グループは「上級」グループに比べてより共同積立金に資産を投じました。一方「上級」グループは例え運によって資産を得た時でも共同積立金に寄付する事は「下級」グループよりも少なかったのです。 また、「上級」グループは努力によって資産を得た場合は運によって得た時よりもより寄付を行わないことが分かりました。 研究を主導したMagda Osman教授は「『上級』グループに属する人は、自らの資産が運によって得られたものか、努力によって得られたものかが協力のレベルを決める鍵だということが分かりました。これは『下級』グループの人には見られない傾向でした」と指摘します。 ◆貧者が利他主義というわけでもない またMagda Osman教授によると「自分が限られた資産しか持っていない場合、その資産を増やす明白な戦略は他者との協力です。誰かが協調的に動いたとしても、その理由は純粋な利他主義というわけでもないのです」とのこと。 つまり自分がするのと同じように他者も同じように共同積立金に貢献してくれれば、最終的には自分もそこから利益を得られるということ。 ただしもちろんゲームに参加する誰もが同じように振る舞うという保証はありません。別の言い方をすれば、「下級」グループの人は他の参加者が報いてくれる保証のないまま、より大きなリスクを取っていることになります。 Magda Osman教授は「もうひとつ驚くべき発見は、向社会的行動が(この場合では共同積立金への寄付)が思いやりとは関係ないところで行われていたということです」と指摘します。 「思いやりや共感が人々を社会的な行動に駆り立ててきたとこれまで多く主張されてきましたが、お金に関してはほぼ関係がなかったのです」とのこと。 ◆つまり、どういうことなのか この研究結果はマザーテレサの言葉の否定のようにも見えますが、日本の「情けは人のためならず」ということわざを考えてみればむしろ納得のいくものとも言えそうです。 個として所有するリソースが少ない人々が、それらのリソースを共有することで社会的な存在としてまとまるということは、社会的動物としての人類が村落などの共同体を作って暮らし始めたことにまで遡れます。 BUZZAP!では以前インドのストリートチルドレンが自分たちの起業や学業のために自分たちのための銀行を設立して運営してることを取り上げましたが、こうした事例はシェアリングが感情的な自己満足のためだけに行われているわけではないことを示しています。 逆に自らが既に成功している場合は、敢えて誰かと資産をシェアしなくても自らの生活や富を維持できるわけですから、そのような「お金持ち」には共同体などとシェアをしなくてもやっていけるため、動機づけが薄弱になると言えそうです。 だからこそ「ノブレス・オブリージュ」といった社会的責任が語られるようになるわけですが、今のところは個々の良心に任されているといった段階でしかありません。 なお、どれだけ儲けようと、さらに儲けて自分の資産を増やそうという人は少なからず存在していますが、そうした執着の理由まではこの研究では手が届いていません。 【金持ちは貧しい人より「気前が悪い」ことが科学的に判明】を全て見る Source: http://buzzap.jp/feed/…

  • 「笑顔でないと出勤できない」顔認証の出退勤管理システムが大きな話題に

    顔の表情までも細かく管理され、ダメ出しされる世の中になるようです。詳細は以下から。 ◆「笑顔でないと出勤できない」システム 低賃金低待遇での長時間労働や休日出勤といったブラック労働を、先の見えない非正規雇用の身分で強要される事も少なくない現代日本社会。過労死や過労自殺が大きな問題となっていますか、そんな疲労困憊の従業員たちが毎朝無理矢理にでも笑顔を作らなければ出勤すら許されない時代がやってきそうです。 業務用ソフト制作の「e-cometrue」が顔認証技術を用い、従業員が笑顔かどうかを測定する機能を設けた出退勤管理システムを開発したことを北海道新聞が報じています。出勤時間登録の際の顔認証で一定のレベルを上回る「笑顔度」であるとシステムが判断すると、出勤登録できるようにするという「鬼」仕様です。 このシステムをタブレット端末の画面に自分のIDを打ち込むと、カメラが作動して顔写真を撮影します。これによってIDとの本人確認を行うと同時に、口角が上がっているかなどの表情の要素から、笑顔かどうかを判定。 「笑顔度」は数値で表示され、値が低いと「笑顔度が規定値より不足しています」との表示が出て、出勤の登録ができず、再びカメラの前でしっかり笑顔を作ることが求められるというもの。 定時までにシステムの求める笑顔を作ることができなければ、出勤できないまま遅刻扱いにされることになりそうです。 なお、「175。DENO担担麺」を運営する「175」は2019年中に全7店舗でこのシステムを導入予定とのこと。同社システム管理者の柳橋優樹さんは「笑顔はサービスのひとつで、顧客満足度の高さにつながる。従業員に毎日の笑顔をチェックをする習慣にしてほしい」と取材に答えています。 ◆言うまでもなく炎上 改めて指摘するまでもありませんが、このシステムの記事が出た途端にネット上では批判が巻き起こっています。 弁護士を含む複数のアカウントからは表情によって出勤を許さないことに「労基法違反では?」「リーガルチェックしているのか」などと現行法上の問題を疑う声が上がっている他、「モラハラ」「人権問題」との指摘も相次いでいます。 ディストピア小説「1984年」での、公私あらゆる場面で仕草から表情までを管理されている日常生活の描写との類似を指摘する声も上がっており、評判は最悪と言うしかありません。導入した「175。DENO担担麺」には行きたくないという意見まで出ています。 問題はまず、接客業であったとしても接客業務中以外の表情まで雇用者に管理される謂われはないということ。業務開始前の表情ひとつで出勤を拒否される事には強い拒絶反応が起こっています。 また、笑顔になれなかったとしたらその原因を解決するべきで、無理矢理カメラの前での笑顔を強要して済む話ではありません。体調不良であれば休むべきですし、疲労が抜けないのであれば勤務体系を見直すべきところ。 仕事に関してトラブルや悩みがあるのであれば、いったい何がどのような理由で起こっているかを究明して何らかの改善策を講じるのが雇用者側の責任です。 そうした「笑顔になれない理由」を、出勤登録を人質にして作り物の笑顔で塗り固めさせようとしている訳ですから、炎上するのも致し方ないと言えそうです。 【「笑顔でないと出勤できない」顔認証の出退勤管理システムが大きな話題に】を全て見る Source: http://buzzap.jp/feed/…

  • 正社員と非正規社員の待遇差は「不合理」と最高裁が初の判断、しかし大きな懸念も囁かれる

    同一労働同一賃金に関して大きな判断が下されました。詳細は以下から。 同じ仕事をしている正社員と待遇に差があるのは、労働契約法が禁じる「不合理な格差」にあたると訴えた訴訟の上告審の判決が6月1日に最高裁第二小法廷で下されたことを朝日新聞が報じています。 ◆同一労働なら待遇の差は不合理との判断 最高裁の山本庸幸裁判長は、正社員に支給されている無事故手当や通勤手当などを契約社員に支給しないのは不合理だと判断。二審判決を支持して会社側に会社側にきこれらを支払うよう命じました。 最高裁が同一労働同一賃金に関し、正規雇用者と非正規雇用者の間の待遇差という争点に判断を示したのは初めてのことで、極めて大きな判例となります。 この訴えは浜松市の物流会社「ハマキョウレックス」でトラック運転手として働く契約社員が正社員に支給されている無事故手当、作業手当、給食手当、住宅手当、皆勤手当、通勤手当などが契約社員に支払われないことを不服として起こしたもの。 一審の大津地裁彦根支部は通勤手当について「交通費の実費の補充で、違いがあるのは不合理だ」と認定し、二審の大阪高裁はこれに加えて無事故手当と作業手当、給食手当を支払わないのは不合理だとの判断を下していました。 最高裁は二審が認めた4つの手当に加えて皆勤手当についても「不合理」と判断。裁判が進むにつれて不合理さがより広く認められていく結果となりました。 なお、住宅手当については正社員と契約社員では転勤の有無などの差があることから不合理とは言えないとの判断を下しています。 ◆懸念される「正社員の待遇悪化」 ですが、現代日本ではこの判決は手放しで喜べるものではありません。なぜかというと、企業側が「同一労働同一賃金」の実現のために「正社員側の手当を廃止したり待遇を悪化させる」という事が起こるからです。 既に2018年4月の時点で日本郵政グループという巨大グループが、日本郵政グループ労働組合の正社員だけに認められている扶養手当や住居手当など5つの手当を非正規社員にも支給しろという要求に対し、正社員側の手当を廃止するという決定を下しています。 BUZZAP!でも当時詳しく報じましたが、日本郵政グループ側は「正社員の労働条件は既得権益ではない」として一部の正社員を対象に住居手当の廃止を逆提案。これに加えて寒冷地手当や遠隔地手当も削減されることになりました。 極めて残念ながら、この判決を受けて企業側がこれ幸いと正社員の手当を廃止し、待遇を引き下げるという決定を行う事が十分に考えられるということ。これは企業からすれば人件費を抑制しつつ同一労働同一賃金を達成できる一石二鳥の方針。 既にネット上ではこうした懸念が示されていますが、正社員も非正規社員も幸せにならず、企業のみが丸儲けといういくらなんでもあんまりな状況が今後社会のあちこちで見られることになるかもしれません。 【正社員と非正規社員の待遇差は「不合理」と最高裁が初の判断、しかし大きな懸念も囁かれる】を全て見る Source: http://buzzap.jp/feed/…

  • 休暇中に旅先で仕事できてしまう制度「ワーケーション」を日経がドヤ顔で紹介、当然ながら批判の嵐に

    休暇は完全に仕事から離れて休むための時間ですが、日本社会はまだその基本すら理解できていないようです。 ◆仕事と休暇を組み合わさせられるという地獄 「旅先で休暇を楽しみながら仕事もこなす」という悪夢のような仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた「ワーケーション」が広がり始めたと日経新聞が報じています。 この目的は「休暇先での仕事を認める」ことによって「確実に長期休暇を取りやすくする」ことだとしていますが、既にこの時点で大きな矛盾が生じていることに気付いていないことは致命的です。 夏休みに吐きそうな量の宿題を押しつけられて育ってきた日本人にはあまり実感できないのかもしれませんが、休暇というのは仕事を離れ、仕事の責任からも離れ、仕事のことなど何も考えずにプライベートな時間をゆっくりと、思う存分楽しむ事を指します。 「休暇先での仕事を認める」ことは単に出先で仕事をしているだけで、在宅勤務やリモートオフィスと変わりありません。そう、つまりこれは休暇ではありません。 記事中では日本航空の例が紹介され「半日単位で認められ、利用した日は出勤扱いとなる」とされていますが、まさに「休暇中に旅行先から出勤させている」事になります。 日経新聞はツイッター公式アカウントで「『休暇中は仕事を離れて』が理想ですが、どうしても外せない会議や仕事ができてしまう場合もあります」としていますが、「休暇中は仕事を離れて」は理想ではなく当然の権利です。 「休暇中は仕事を離れて」が理想ですが、どうしても外せない会議や仕事ができてしまう場合もあります。長期休暇を促すために、旅先でも短時間働ける仕組みや環境を整えようという動きが広がっています。#ワーケーション▶旅先で仕事「ワーケーション」認めます 長期休暇促すhttps://t.co/PQiE89Oprk pic.twitter.com/Rw16nCn4lQ — 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) 2018年3月31日 どうしても外れない会議や仕事ができてしまうのであれば、その会議の日程をずらすなり、その人が休暇を取っても仕事が回る体制を整えておくことが企業側の責務。 それができていないのであれば企業のマネジメントの致命的な欠如でしかなく、休暇中の社員に出勤を強いる事は下策中の下策と言わざるを得ません。 ◆日本社会とワーケーションという最悪のコンビ ここまでワーケーションという概念のおかしさを指摘してきましたが、実際に日本社会でこの制度が広まる時に何が起こるのかを考えてみれば、どれだけ危険な代物かがよく分かると思います。 記事内で紹介されている日本航空の制度では「仕事を持ち帰って休暇中にこなすことは禁止で、やむを得ず入った仕事や休暇明けの準備などの目的で利用できる」としています。 ですが、過労死ラインを超えた長時間労働が常態化している日本で実際に広く導入されれば「仕事を持ち帰って休暇中にこなす」ためにこの制度の利用を促される未来しか見えてきません。 また、日本航空は「利用した日は出勤扱いとなる」と定めていますが、これはあくまで民間企業の取り組みの一例でしかなく、出勤扱いにせよという法律があるわけでもありません。 つまり休暇中に無理矢理ワーケーションを使わせて仕事をさせた上に「有給休暇はしっかりと消化させています」と企業が申告することも可能ということ。サービス残業が蔓延る日本社会の現状を考えればこれをあり得ないと言える人は誰もいないでしょう。 この制度結局のところ会社の都合で従業員の休暇中に「やむを得ず入った」とする仕事をやらせたり「休暇明けの準備」をしておくこと、さらには「仕事を持ち帰って休暇中にこなすこと」を強いる「回路」を作る事にしかなりません。 果たして日本社会でブラック企業の求めを振り切ってこのワーケーションの利用を拒絶できる従業員がどこまでいるでしょうか?断れないのであればもうこれは「強要」でしかありません。 ◆リモートオフィスや在宅勤務とワーケーションは全く別物 ネット上では既にこのワーケーションは袋だたき状態になっていますが、気になるのはリモートオフィスや在宅勤務と比較している人がちらほらいること。 リモートオフィスなり在宅勤務が通勤の手間や費用、体力などを省くことは事実ですし、これらが普及することはメリットも大きいでしょう。しかしそれはあくまで勤務形態の話であり、休暇に仕事を持ち込ませるワーケーションとは全く別物です。 例えばネットがあれば仕事ができるという理由でタイのビーチやインドの山奥に滞在しながら仕事をしていた人を筆者は実際に見たことがありますが、彼らは単に自分が仕事をする場所を自分で選んでいるだけで、休暇を仕事に土足で踏み荒らさせていたわけではありません。 仕事と休暇の境界線を曖昧にし、本来ならば全てプライベートに使えて当然なはずの時間に仕事を押し込めようとする行為の結果、利益を得るのは会社だけです。これまでなら「休暇をやめるしかなかった」のにワーケーションのおかげで休暇を楽しめると思ってしまった方、ずいぶんと日本社会の歪みに馴染んでしまっている自分に思いを馳せてみるタイミングかもしれません。 最後に仕事なんて放り出して思いっきりバケーションを楽しみたくなる動画を掲載しておきます。 Puffy…

  • 「人材は安く使い潰したい」無期転換ルール開始も派遣労働者2割増という現実、適用逃れ横行も

    どうあっても日本企業は従業員にまともな給料と待遇は与えたくないようです。詳細は以下から。 ◆「派遣労働者2割増」の意味 いつの間にか日本社会では、従業員という存在は会社の大切な財産から可能な限り削減すべき厄介なコストへとランクダウンさせられてきました。 そうした中で格差が生まれ、貧困が蔓延していることから2018年4月1日より派遣労働者や契約社員といった非正規有期雇用者の「無期転換ルール」が開始されましたが、この社会を取り巻く環境は人材不足という未曾有の事態の中でもさらに悪化していることが浮き彫りになっています。 厚生労働省は3月30日に2017年6月1日時点での派遣労働者数が約156万人だったと発表。これは前年同時点に比べ19.4%増と大幅に増えており、伸び率は過去最大となりました。 産経新聞はこれを「景気回復で企業の人手不足感が高まる中、自社だけで必要な要員を確保できず派遣事業者を頼る会社が増え、ニーズが急激に強まったとみられる」などと分析していますが、完全に間違い。 そもそも企業の人手不足は景気回復によるものではなく、人口減少に伴う生産年齢人口の急激な減少によるものであることは以前からBUZZAP!でも指摘しているとおり。実際に総務省の資料によると、15~64歳の生産年齢人口が2013年10月時点で7,901万人と32年ぶりに8,000万人を下回っており、2020年には7341万人にまで減少することが予測されています。 もし本当に景気回復しているのであれば賃金は上昇するはずですから、経済協力開発機構(OECD)の調査にあるような、物価の影響を除いた各国通貨ベースでの実質賃金がG7うちで日本だけが00年よりも低い水準に留まるといった残念な事態は生じるはずがありません。 また、派遣労働者の増加に関しては、非正規雇用が年々増大の一途を辿っており、厚生労働省の2014年版「就業形態の多様化に関する総合実態調査」で1987年以来始めて4割に達したという流れを無視して論じることはできません。 非正規労働者の平均給与は172万円で、正規労働者よりも315万円低く4年連続で格差が拡大中であることを2017年9月に報じましたが、企業が非正規雇用を増やす最も大きな理由が「賃金の節約のため」というもの。 つまりは企業が人件費というコストを最小化するために、人材不足の中でも正規雇用を嫌っていつでも切れて使い潰せる非正規雇用を求めているという実態が浮かび上がってきます。派遣労働者の現時点での2割増はこの視点から捉える必要があります。 そして、ようやく開始された「無期転換ルール」すらも企業は骨抜きに躍起になっています。 ◆最初から形骸化する「無期転換ルール」 2013年4月に施行された改正労働契約法に盛り込まれた「無期転換ルール」は有期契約が通算5年を超えた労働者が、希望すれば定年まで働ける無期契約へ転換できるようになるという制度。 2018年4月1日にめでたく施行から5年となり無期転換が始まるはずでしたが、既に日本の自動車大手10社のうちなんと7社が「6ヶ月以上の無契約期間があれば無期転換しなくてもよい」という法の抜け穴を使い、あくまで非正規雇用で従業員を使い続けようと考えていることが明らかになっています。 また、大学でも大きな話題となった東北大学を筆頭に「雇い止め」を告げられた教員や職員らが大学相手に労働審判を起こしたり、労働基準監督署に告発したりするなど各地で訴えが相次いでいます。 ◆働き盛りのはずの氷河期世代の貧困化 先に述べたように非正規労働者の賃金は正規労働者よりも大幅に低く、交通費や有給休暇、ボーナスなどの待遇の麺でも劣悪な状況に置かれるケースが多々見受けられます。 こうした中で大きな問題となっているのが、世帯主が40代で年間所得が300万円未満の世帯の割合が1994年から2014年までの20年間で11%から17%に増加していること。なんと1.55倍にまで膨れあがっています。 現在の40代は「氷河期世代」と呼ばれる世代が多く、新卒時期に正規雇用の就職先が少なかったことから非正規雇用者としてキャリアを積めなかった人の非常に多い世代。働き盛りで労働人口の中核を担うはずのこの世代が低賃金低待遇で将来設計の困難な非正規雇用に据え置かれることは、将来的に極めて大きな問題を引き起こします。 ダイヤモンド・オンラインの「氷河期世代没落で生活保護費30兆円増、衝撃の未来図」という記事では氷河期世代がこのままの待遇で高齢化した場合に控えめに見積もっても生活保護費が30兆円に達するという指摘を行っていますが、40代の単身世帯で45.9%が貯蓄ゼロである現状を考えれば決して悲観的な観測ではありません。 企業があくまで目先の利益だけを重視し、働く人の将来性を考えた形態で雇用を行わないのであれば、日本の経済の先細りが一層深刻かつ迅速なものになることは間違いありません。 無期転換に関しては、非正規雇用者の中で契約社員・臨時社員の70%、派遣社員の57%が、そしてルールの認知率の低かったパート・アルバイトでも47%が求めていることが明らかにされています。 従業員はカットすべきコストではなく末永く育成すべき財産であり、同時にこの国の経済を回す原動力たる消費者でもあるという資本主義の基本のキを日本企業は自覚し、労働力の安価な使い捨てを今すぐ止める必要があるのではないでしょうか? 派遣労働者、前年比19%増の156万人 人手不足でニーズ強まる – 産経ニュース 【「人材は安く使い潰したい」無期転換ルール開始も派遣労働者2割増という現実、適用逃れ横行も】を全て見る Source: http://buzzap.jp/feed/…

  • 「『アメリカに長い間つけこんできた』とほくそ笑んでる」トランプ大統領が安倍首相を名指しで批判

    安倍首相とトランプ大統領の蜜月の関係はどこに消え去ってしまったのでしょうか?詳細は以下から。 ◆安倍首相を名指しで批判 「外交の安倍」を自称しつつ、国民の税金を盛大にバラマキながらも大した成果も出せず、北朝鮮問題でも北方領土問題でも蚊帳の外となっている安倍首相。ついには「ドナルド・シンゾー」コンビと胸を張っていたアメリカ合衆国のトランプ大統領からも名指しで批判されてしまいました。 トランプ大統領は3月23日から鉄鋼とアルミニウムに輸入制限を発動し、それぞれ25%、10%の追加関税を課します。主な輸入相手であるカナダ、ブラジル、メキシコ、EU、オーストラリア、アルゼンチン、韓国の7ヶ国及び地域に対しては関税の適用を一時的に猶予するものの、日本は中国と共にしっかり関税を適用されてしまいました。 米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は3月22日の議会証言で、日本について「(関税を猶予する対象国に)入っていない」と明言していますが、トランプ大統領の言葉はさらに辛辣なものでした。 トランプ大統領は3月22日の署名式で「安倍首相のみを名指し」にしつつ各国首脳に対して強い不満をぶつけています。 「こんなに長い間アメリカ合衆国につけ込めるなんて信じられんな」とほくそ笑んでいる日本の安倍首相を始めとした偉大な我が友人たる各国首脳たちに言っておきたいことがある。そんな日々はもうこれで終わりだ。 ( I’ll talk to Prime Minister [Shinzo] Abe of Japan and others, great guy, friend of mine, and there will be a little smile on…