終戦記念日を答えられない若者たちに驚き… 平和ボケは日本全体に蔓延しているのか?

8月12日放送のAbemaTV『千原ジュニアのキング・オブ・ディベート』で、元防衛大臣の中谷元・衆議院議員を迎え、日本人の”平和ボケ”について議論した。

 番組ではまず、渋谷で平成生まれの若者100人にアンケート調査。8月15日の終戦記念日について「それは常識ですよ」「日本国民なら覚えておくべき」という人がいた一方、「何月頃かもわからない」「10月?」など、「知らない」と答えた人が54人と過半数を占める結果になった。

 さらに「日本で戦争は起こる」と感じていると答えたのは41人だった一方、もし戦争が起きたら「逃げたい。ヨーロッパとか」「貯金を全部使い果たして楽しく過ごして死にたい」「美味しいものを食べて、竹内涼真に会いに行く」「攻めてきたらすぐ降参してほしい。植民地になってもいい」といった回答も見られた。

 中谷氏は「こういう時代であるということは幸せだとは思うが、平和のルーツや、なぜ平和が大事なのかということを知らないと危ういなと思う。私でさえ戦後生まれなので、直接体験はしていない。でも、自分のおじいちゃん、おばあちゃんの世代に戦争があって、日本だけでも300万人以上が亡くなっている。国としても、それを風化させてはいけないということで『戦没者慰霊式』を始めた。ただ、学校では教えてくれない。歴史の授業はだいたい明治時代くらいで終わってしまう。特に勉強してもらいたいのは、なぜ戦争になってしまったのか。そして戦争が終わる時にどんな苦労があったのか。8月15日の1週間くらい前から降伏に向けた会議が開かれ、14日にポツダム宣言の受け入れが連合国に伝えられている。そして正式には9月2日にミズーリ号で降伏文書に調印した。さらに厳密に言えば、6年後に受け入れたサンフランシスコ講和条約に”終戦”という言葉が書かれていて、これが昭和27年4月28日発効したときが本当の意味での終戦だ。様々な経緯があったことをみなさんに勉強していただきたい」と話した。

 

作家の鈴木涼美氏は「私たちの世代はあまり近現代を学ばなかったかもしれないけど、祖父母に戦時中の話を聞いてくださいっていう宿題が出ていたので、当時のことを知ることができた。今の若い子たちは、祖父母も経験者じゃないので、そういうことができないし、終戦記念日を知らないのもその象徴だと思う。将来、無知な人、歴史に学ばない人が政権を取って、愚かな戦争を始めてしまう気がする」と懸念を示した。

 一方、現役大学生で株式会社GNEX代表取締役の三上洋一郎氏は「若い人のことがよく指摘されるが、安全保障の問題で現実的ではない人はむしろ年配の方に多い。思い出してほしいのは、東京都知事選のとき、ある元ジャーナリストの候補者がテレビ番組で『どこの国が攻めてくるんですか』ということを言った。これだけ東アジア情勢も緊迫化しているのに。ただ、”植民地になってもOK”みたいな考え方は良くない。自分の権利が侵害されてもいいと言ってしまうのは、歴史に対する無知さからくるもの」と指摘した。

 株式会社アオイエ代表取締役CEOで社会活動家の青木大和氏は「僕は今24歳だが、生まれてからの間にオウムの地下鉄サリン事件、9.11、東日本大震災があった。だから僕たちの世代の心の中には、いつ何が起こるかわからない、平和はいつ失われてもおかしくない、という感覚があると思う」と話した。

 元自衛官でお笑いコンビ・フルーツポンチの亘健太郎氏は「僕が自衛官になった20年前は、国防や戦闘機に興味があったわけではなくて、ただ公務員という安定性だけ。周りにもそういう動機の人が多かった。その頃に比べれば、平和ボケではないと思う。9.11を皮切りに空気が変わってきたが、当時の僕は三沢基地にいて、正門の入口は米軍、出口は自衛隊が警備していたが、米軍は装甲車を用意しているのに、自衛隊は警棒だけ。自爆テロが起きたらどうしろっていうんだ、組織としても平和ボケしているんじゃないかと思って虚しくなった」と明かした。

 亘氏の話を受け、中谷氏は「まさに9.11の時、私は防衛庁長官だった。アメリカ本土が初めてテロ攻撃を受けた事態だったが、当時は政治の側も安全保障に対する知識、議論が少なかったと思う。集団的自衛権の行使も認められていなかったので、横須賀の米空母が東京湾から出ていく時に自衛艦がエスコートすることもダメだといわれた。三沢も含め、米軍基地だけは守りましょうというということで戦後最初の法案を作ったが、武力行使にならないようにということで、国会の議論もなかなか難しい。一つずつ対応をしている状況だ」と話した。

 政治アイドルの町田彩夏氏は「受験勉強やテストをしていた頃は日付も良く覚えているが、大学生になって何年か経つと日付を意識することもなくなり、忘れてしまうこともあると思う。そして人は伝聞、教科書だけだと自分ごとのようには捉えられないので、平和ボケになってしまうのも仕方ないと思う」と指摘。その上で、「むしろ”第二次世界大戦ボケ”もあると思う。今の戦争はボタン一つでやりあう時代なのに、未だにあの当時の戦いをイメージしいて、これからの時代の新しい戦争に対する危機意識を持っている人は多くはないと思う」と話した。

 これに対し、三上氏は「冷戦もある意味で戦争だし、今も経済面で戦争が行われているようなもの」と賛同。青木氏も「産業スパイが入ってきたり、ドローンが出てきたりしている中、戦争が新しい概念にアップデートされている認識は持たないといけない」とした。

 中谷氏は改めて「戦争は起こらないように全力を尽くします。でも、可能性はあると思います」とコメント。「ウクライナも突然ロシアにクリミア半島を取られてしまったし、平和な国だったシリアも、あんな状態になってしまった。中国が尖閣列島を自分の国土だといつ主張するか分からない。国土や国民の命を不法に奪うものに対して、国は断固として戦わなければならない」と述べた。

(2018年8月25日 AbemaTIMES 『千原ジュニアのキング・オブ・ディベート』より転載)

Source: http://www.huffingtonpost.jp/feeds/japan/index.xml

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