へき地の基幹病院で活躍できる医師になりたい

現在、埼玉県蓮田市にある東埼玉病院の総合診療科に務める斎藤舞子先生。高校生の時に無医村を知り、そのような地域格差をなくしたいと医師を志しました。医師10年目の現在、2児の母でもある斎藤先生は、自らの将来像に近づくために、どのようなキャリアを選択しているのでしょうか。

◆へき地の基幹病院で、地域の役に立ちたい

―斎藤先生は、どのような医師を目指しているのですか?

私は医療資源の少ないへき地で、少しでも役に立てる医師になりたいと思っています。地域の基幹病院で、他科の医師と協力しつつ外来から在宅診療まで、診療科を問わず地域住民の方々の健康を守っていく――そんな医師を目指しています。

―そのように考えるようになったきっかけを教えていただけますか?

きっかけは祖父の死です。祖父は大分県内のいわゆるへき地で、小さな医院を開いていました。その祖父が亡くなった時、医院のあった地域が無医村になってしまったのです。当時私は千葉県に住んでいて、祖父が亡くなって初めて無医村を知りました。高校生だった私は、地域によってこんなにも格差があるのか、と衝撃を受け、そのような地域格差を少しでも減らしたいと思い、医師を目指すようになったのです。

しかし医学部に進学してからは、熱烈な産婦人科医志望になっていました。医学生にとって産婦人科や小児科は、感化されやすい診療科だと思いますが、私自身も例外ではありませんでした。それで医学部卒業後、自治医科大学の産婦人科に入局したいと思い、初期研修を自治医科大学で受けることにしました。

そして初期研修中の地域医療実習が、大きなターニングポイントになりました。

初期研修2年目の1カ月間、群馬県内の地域医療振興協会のへき地病院で研修する機会がありました。東京の病院だったら「この疾患だったら〇〇科に回そう」と判断する患者さんを、6人の医師が診療科を問わず、みんなで協力しながら診ていました。内科医が手術に入ることも当たり前。言葉通り6人全員が走りながら、一人の患者さんを助けるために協力していました。

その姿を見て、「こういう姿勢が地域を支えているんだ」と強い印象を受けました。たった1カ月間の研修でしたが、医師を目指した原点を思い出し、こんな医師になりたいと将来像が固まったのです。

◆子育てしながら自らの将来像に近づくために

―現在は、埼玉県の病院に勤務されています。それはなぜですか?

後期研修は、総合診療医として多くの症例が積めると考え、東京医療センターに行きました。急性期病院なので確かに症例数は多かったのですが、退院した患者さんの様子が分からず、モヤモヤした気持ちを抱えることが多かったです。

そこで同じ法人内の東埼玉病院は、急性期病院ではないものの、医療資源が少ないために急性期のような対応が必要な場面もありますし、国立病院機構の中では珍しく、在宅診療も行っていたので、こちらの病院での勤務を選択しました。

よりへき地の病院へ――という思いはありますが、現在小さな子どもが2人いて、子どもたちの教育のことなどを考え、都内に住んでいます。しかし自分のキャリアビジョンやモチベーションの維持を考えると、都内の病院に務めることはあまり想像できず、通勤に2時間弱かかりますが、東埼玉病院での勤務を選びました。

―それではお子さんが大きくなってからのキャリアは、どのように考えていますか?

ずいぶん先の話なので、どうなるか分かりませんが、よりへき地の基幹病院で働きたいという思いはありますね。

一方で、地域医療に携わるには、その土地のことを深く知らなければいけません。地域のことを短期間で知ることは難しいですから、長くその地に根ざすことが重要になってきます。そのため埼玉県が長くなればなるほど、それだけこの地域のことを知ることができるので、この地域での医療に携わり続けるほうが役に立てるのかもしれない、とも思います。

いずれにしても、しばらくは東埼玉病院で地域の方々のニーズに応えられる医師になれるようスキルアップしつつ、将来像と自分にできることを照らし合わせながら、少しでも思い描いている医師に近づいていきたいです。

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医師プロフィール
斎藤 舞子 総合診療科
神奈川県出身。2009年昭和大学医学部卒業後、自治医科大学にて初期研修修了。東京医療センターでの後期研修修了後、東埼玉病院総合診療科に勤務。

Source: http://www.huffingtonpost.jp/feeds/japan/index.xml

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