「てぃ先生」男性保育士のTweetが人気 フォロワー40万人

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保育園の日常をツイッターなどで発信して人気を博している保育士「てぃ先生」=東京・築地、戸田拓撮影

男性保育士「てぃ先生」つぶやき人気 「普通の存在に」

 東京の保育園で働く男性保育士として、園児の言葉をツイッターに投稿している「てぃ先生」。フォロワーは40万人を超え、「保育の楽しさを伝えたい」と発信し続けています。まだ珍しい男性の保育士が自然に、当たり前に働ける社会にしたいと思っています。

 女の子(5歳)に「どうしたらおとなになれるの?」と聞かれたので「うーん…20歳になったらかなぁ」と答えたら、そばにいた男の子(5歳)が「『こどもになりたい』とおもったらじゃない?」と素敵な答えを言った。本当にそうかもしれない。

■楽しさを発信

 てぃ先生がツイッターで紹介した保育園での一コマ。子どもの豊かな発想や感情が伝わってくる。

 ツイッターを始めたのは2012年。待機児童の問題や虐待といった育児のしんどさばかりを強調するニュースがあふれていた。「確かにうんざりすることもある。でも、子どもはこんなに面白くて保育は楽しい。ポジティブな面だけを抽出した発信があってもいい」と考えた。保育士になったころから勤務後や休憩時間に園児の言葉をスマートフォンなどにメモしていた。保護者に「クラスでこの遊びをしました」だけでなく、「○○君、こんなお話をしていましたよ」と個人の姿を伝えたかったからだ。

 ツイッターで発信するため、施設の許可を取った後で同僚とチームをつくり保護者一人ひとりから了解を得た。投稿内容が話題になり、メディアに出るようになったが、施設に迷惑をかけないよう「お面」をつけた。しかし、「顔を出して説明した方が真剣な姿勢が伝わる」と今年2月から顔出しするように。保護者も協力してくれている。

 保育士を志したきっかけは、進路に迷っていた高校時代、通学する電車内で幼い子どもに、にこっと笑いかけられたことだ。サラリーマンの父親の疲れた姿を見て、「好きなことを極める専門職」に憧れていたが、運命的な出会いを感じた。だが、担任は「やめとけ」、友達からは「お前、ホントにいいの?」と言われた。保育士養成学校の入学式では女子学生の人波にたじろぎ、「ムリ……」と退学が頭をよぎった。

 実習中、赤ちゃんが泣きやまないと「男の先生だからねぇ」と言われ、着替える場所も男子トイレしかなかった。少数派だと肌で感じた。

 社会福祉法人の日本保育協会によると、男性保育士の登録者数は、10年前の約2万人から昨年は約6万4千人に増えたが、全体で見るとまだ5%程度だ。

■プロ意識持つ

 最近も、男性保育士に娘のおむつ替えをしてほしくないという保護者の声を巡って議論が起き、ツイッターでは「男性保育士の存在を否定された」と嘆く声が寄せられた。自身も、園児の母親に「娘をひざに乗せないで」と言われたこともあったが、「存在を否定されたなんて感じない」という。「なんでこだわるのかな。女児のおむつ替えだけが保育士の仕事じゃないのに」と不思議だ。一方で、「親が不安に思うなら、解消できるようにするのが園の努め」と考える。

 保育園は、保護者が安心して預けられないと意味がないと考える。プロの保育士として「専門性をもって子どもを伸ばす」ことを心がける。「子どもが中学や高校に入って夢ができた時に、何にだってなれると思える素地をつくりたい」

 少し前まで「保母さん」と呼ばれていたこの仕事。「だから、男性保育士が当たり前になるまで時間がかかるはず。どんな仕事をして信頼を得るか。それが、男性保育士の未来につながる」とみる。

 約10年のキャリアを積んだ今、自信を持って「パパとママがいるように保育士にも、女性も男性もいて、それぞれ得意分野があるのが自然だ」と思える。何よりうれしいのは、ツイートを見て保育士を志してくれた人から、「とうとう保育士になりました」と報告が来た時だ。(文・市川美亜子、写真・戸田拓)

     ◇

 4月は入園やクラス替えの季節。慣れない環境に不安定になる子どももいます。てぃ先生に、親に大切にしてほしいことを聞きました。

 ■楽しみな「明日」づくり

 出がけに「行きたくない」と泣かれて、その場しのぎで「おもちゃで遊べるよ」などとなだめることがあると思います。でも、大切なのは前の晩。子どもと「明日は○○先生となにをお話しようか」「お散歩があるね。楽しみだね」などと話してください。「楽しみなこと」を持って翌朝を迎えると、違います。

 ■「泣かない」約束はNG

 園に慣れず、何カ月間も泣き続ける子もいます。不安な気持ちは分かりますが、帰宅後に「今日も泣いたの?」と聞いたり、「明日は泣かないようにしよう」と約束させたりしないでほしい。それよりも、園の様子には触れずに、「今日もがんばったね!」とほめて下さい。何があっても、家に帰ればほめてもらえるということが、子どもを安心させるのです。

 ■「これができる」を一つ

 子どもが自信を持てるものを一つ見つけてください。「掃除機をかけるお手伝いが上手」とか、家のことでもなんでもいい。着替えやリトミックなど、園ではその子が苦手なことにも取り組みます。失敗した時に「でも、これができるからいい」と思えることが大切です。

     ◇

 てぃ先生 東京都内で働く30歳の保育士。「子どものかわいらしさ」「保育の楽しさ」を発信したいと、園や保護者の許可を得て、2012年に園児たちのつぶやきを発信し始めた。ツイッター(@_HappyBoy)のフォロワーは40万人を超える。著書に「ほお…、ここがちきゅうのほいくえんか。」(KKベストセラーズ)「ハンバーガグー!」(同)など。漫画「てぃ先生」(KADOKAWA/メディアファクトリー)は3月23日に第5巻が発売。アニメ化され、スマートフォン専用のアプリで配信されることも決まっている。

(朝日新聞デジタル 2017年04月02日 11時15分)

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